この掟を破っているならば将来的に破滅する確率はかなり高いといえる。
このギャン理論はおおよそ100年前に生まれた取引理論だ。
たったの28カ条しかないにも関わらず、
取引の”当たり前”を鋭く指摘しているために現代でも学ぶことが多い。
だが、FX実用指南を読んでいるあなたは大丈夫だ。
今回はトレードに必須のギャン理論を
私と4テーマに分類しつつ、実際的な活用方法を学んでいこう。
ギャン理論とは『損小利大』だ。
ギャン理論は28条ある。そのテーマは4つに分けられる。
あなたに視覚的に重要度を認識してもらうために円グラフにした。
- 損小利大について (12条)
- 資金管理について (6条)
- メンタルについて (3条)
- 注文・その他 (7条)
損小利大について
注目すべきは、
『損小利大』が堂々の第一位になり、ほぼ半数を占めている点だろう。
ギャン理論は、損小利大を訴えた理論だ。
全28条があるが、内12条は『損小利大にしようね』という喝になっている。
つまり、ほぼ半分近くが損小利大に根付いた教えなのだ。
本講座『FX実用指南』でも第1章から損小利大を繰り返し唱えつづけてきた。
資金管理とメンタルについて
ギャン理論はメンタル系条文が簡潔明瞭である。
そして、数としても3条しかメンタルを扱わない。
100年前のギャンの立てた方針と違い、
現代は混沌の時代だ。
FXポエマー・FXポエム広告ブロガーが口を揃えて
『FXはメンタルが整ってれば勝てるようになる!』と言い続けている。
あなたにも見覚えがあるだろう。
彼らはほんとうに実際に取引する方法を知らない。
ポエムを書いて記事を水増ししたり、謎の商材や有料NOTEを売ることが限界なのだ。
結果として、ネットで調べた時に出てくるものは大量の精神論で溢れて行ってしまう。
だが、ウィリアム・ギャンはこれにはっきりとNOを突きつけている。
どんな屈強なメンタルがあろうと、
技術も損小理大も資金管理もないものが勝てるほど甘い世界ではないということだ。
メンタルは必須ではあるが、メンタルだけでは勝つことはできない。
だからギャン理論ではメンタルに関する記述を最低限でとどめている。
私は将棋の駒の動かし方はぜんぜん知りませんが、
メンタル最強です。将棋のプロに勝てます。
そんなやつはいない。
注文方法について
実際にギャン理論4テーマ28カ条を見ていこう。
まずは損小利大について(全12カ条)
いきなりだ。『損小利大』を守れということだ。
損小利大を守れないものに勝つ資格はない。
勝つトレーダーと負けるトレーダーの違いは、第1章の冒頭にもある通りだ。

ギャンブラーたちは、
売り買いの前に『価格の行き先を断定し、的確な位置に利確を設置する』
という当たり前のことが出来ないので負ける。方針が決まってないから常に焦ってPCやスマホを見まくることになる。
そして、チキン利食いやリスクリワードの最悪なトレードが無限に続く。
こうしてじわじわ消耗した末に、資金がショートして退場が決まる。
FXで負ける人は、取引前に損切りを置かない。利確のターゲットもおかない。
もう完全に思いつき。だから負ける。
怖いのは、彼らはそれが原因で負けてることがよくわかってない点だ。
もう一度繰り返す。ギャン理論は、損小利大を訴えた理論だ。
全28条があるが、内12条は『損小利大にしようね』という喝になっている。
損小利大はトレーダーにとって絶対の課題なのだ。
『価格の行き先を断定し、的確な位置に利確を設置する』ということが必須だ。
それは決してなんとなくの値ごろ感で行われるものではない。
というか、値ごろ感でやった取引をしていて、
毎回損失と利益の比を1:2にしていくのは不可能だろう。
そういった間違ったエントリーと損失は必ず避けるようにする。
万が一の相場変動でも損失が出ないようにコントロールしながら、利益を伸ばすことだ。これも一度利益が出たら、とことん伸ばすという点で損小利大の教えといえる。
一度決めた損切りを変えてはいけない。
というのも、勝つトレーダーは必ず取引の前に損切りと利確が確定するからだ。
損切りに近づいたらしっかりと負けを認めて、次のチャンスにつなげる。
というか損切りが嫌だということは原因が、以下のケースのどちらかだと思う。
- まず損切りの金額が大きすぎて、あなたの資金の量にあってないケース。
- 資金の量にあってるが、あなたの精神的な器を超えているケース。
あなたが損切りを嫌がったら、このどちらかに該当している可能性が高い。
分析して、必ず損切りを受け入れられるだけの姿勢を作っておいてほしい。
言い方を変えるなら、”トレンドに従う”だ。
こっちで覚えておいた方がいいかもしれない。
トレンドに加えて、その波でもっとも伸びるところを掴む癖を必ずつけるようにしよう。
あなたはエリオットの使い方をもう知っている。最も伸びる第3波だけを狙うのがいいだろう。

大きい波に従う癖を身につけると損が小さく、利益が大きくなる理想的なトレードに近づく。
波でも最も大きくなるのが第3波だ。
これは実際の3波を狙ったトレードの値幅だ。
エリオットを使えば一番大きく伸びる波を、天底狙うことができる。
この”アクティブ”というのは単に値幅にとどまらない。
たとえば超マイナーな通貨だと、ロウソク足の形成もままならない。
FX以外にも、株や資源なども取引するチャートがある人は特に注意してほしい。
ロウソク足の形成もままならないような参加人数の少ないチャートで戦うと、
単純にテクニカルで勝つことが難しくなる。
『節目でさらなる取引をして利益を増やそう』ということだ。
これも損小利大の精神だが、買い増し売り増しは初心者には少し難しい。いきなり挑戦しないようにしてほしい。
資金管理について(全6カ条)
いきなり突っ込みを入れさせてもらうが、1回の損切りで10分の1が溶けてるのはダメだ。
それではだいぶ甘い。
これを読んでるあなたにはもっと厳しくしてほしい。
10分の1の損失が出るのは完全に異常だ。
数連続で負けても平気でいられる金額で取引しなければ、あなたは必ず破滅する。
私もこのルールでやってます!というブログ記事が多いが、
いやいや待たんか、貴様。絶対そのルールでやってないのにそんなこと書くな。
そんな破滅ルールで繰り返してたら負けが続いた時に再起不能になってしまう。
それから、
資金量からは考えられないポジションをとる癖が一度つくと離れなくなる。
負けが膨らんでいたり、そもそもお金がない人間は資金を全ツッパしやすい。
これはやめよう。そういう取引を繰り返しているなら、将来的な退場は必然だ。
この過剰というのは、あなたの資金規模で考えた時の過剰であるし、
また、メンタルコントロールで考えた時の過剰でもある。
FXはキーのひと押しで、お金が溶けたり増えたりする世界だ。
人によっては1万円の負けでも発狂してしまう人は少なくないと思う。
その人にあった金額でトレードすることが勝利につながる。
出金するまでがトレードと言っても過言ではない。
これに関しては正しく出金される業者を選ぶことが大切だ。
一部の業者はあまりにも勝ったトレーダーの利益をチャラにすることがある。
また、優良な業者でもトレードの儲け分は必ず分けて管理しよう。
いつもこの部分を見ると笑ってしまう。
24も27も同時に守るとどんどん取引量が減るのだ。(笑)
とはいえ、長い歴史から相場に携わる者に支持されてきたギャン理論だ。
矛盾している条文がありながら、長く支持されているのには理由があるのだろう。
繰り返しになるが、
損失が5連続で出ても、精神的にも資金的にも動じないようなポジション量にしなくてはならないし、それでも十分勝てるほどの損小利大のトレードを構築しなくてはならない。
マインド系
迷ったら、というか精神的に不調ならトレードしてはいけない。
私は絶対にトレードしないし、PCに電源は入れないし、チャートも見ない。
私は精神的に不調な時や、あまりにも負け続けてショックな時は将棋すらやらない。
なぜなら、感情的になってボッゴボゴに負けるからだ。
どうでもいいが私は相場で負けることは当然だと思っているが、
将棋の方は全くそう思えない。負けるとものすごいブルーになってしまう。
将棋だけでなくオセロとか、ゲーム全般で負けることが我慢ならない…あなたはどうだろう。
とはいえ、将棋で負けても命は盗られない。感情的になって奇怪な手を打ってしまった末に発狂しても大したことではない。
『あーあ、今日は負けてばっかりだ』で済むし、また明日から将棋を再開できる。
しかし、トレードは一度血迷って資金を全ツッパするような”悪手”をしたら、
もうそれは最期になることもある。
26条の教えは、すごく現代のトレーダーたちに刺さる。
ミラートレード(誰かとトレードを同時にすること)をして負けている人は非常に多い。
株でも仮想通貨でも、『これが上がるぞ!』という噂を聞けば思考停止して群がる。
損小利大のトレードができていないか、基礎が未熟すぎるのが原因だからだ。
FX実用指南を繰り返し読み、私に相談したりすることで
技術第一として鍛えてほしい。
私は心理戦を信じない。良い手を信じる。
(I don’t believe in psychology. I believe in good moves.)Bobby Fischer(第14代チェス公式世界チャンピオン)
注文方法・その他
次は注文方法の項目に移る。しかし、
ここは現代のトレーダーには必ずしも合致しない部分なので、
必ずしも守る必要はない。
というのも、手数料が単純に倍かかるからだ。
これはなんともいえない。
私は天井と底をテクニカルで判別する。
そして、私は頻繁な売買で勝つ。
これは自慢ではなくて、鍛錬すれば自然とこうなる。
また損小利大は負けのトレードを許容してホームランを打つ考えだから、頻繁な売買には繋がりやすい。
スワップ最盛期は、日本人は買いしかしなかったと言われるぐらいとにかく買いをしていて、絶対に売りでは入らないという人も多かった。ただFXでは買いも売りもするのが正しい。
なぜならナンピンをする事態になっていたら、あなたの予測はすでに外れているからだ。
これはそんなことはない。9条は信じなくてよい。
もちろん指値でも、先に損切りと利確が決まっていないギャンブラーの指値はダメだ。
そんなことはない。
スキャルピングは資金効率がいいので全く否定するつもりがない。
全体の流れさえ察知できているならスキャルピングはむしろ推奨さえしている。
というかスキャルピングの是非はマーケットによって異なる。
ギャンの時代ではスキャルピングをする環境が整ってなかったからこそ、この文言があるのだと思う。
さいごに
今回の記事を読んで、真の相場の心構えがわかっただろう。
いままで学んだ知識を損小利大に活かすことを心がけてほしい。
100年前から、損小利大はトレードの大黒柱なのだ。
もちろん資金管理も重要なファクターだから、自分の器にあったサイズでトレードをして欲しい。
次で本講座も最終章を迎える。読んでくれてありがとう。
では最終章で会おう。
応援している。Good Luck!


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